まんがの巨匠 手塚治虫氏は、フリーハンドで完璧な円を描けたのだそうです。鉄腕アトムやリボンの騎士などのキャラクターは、その円い線を基調にした美しい線で描かれています。晩年になって「思うように円が描けなくなった」と、とても残念そうに話されていました。
円を描こうと思ったら、スタートしたところからぐるりと弧を描いて、スタート地点にピタリと戻る必要がありますが、これはなかなか難しいものです。
円を描くというのは、子どもの発達段階の一つの指標でもあります。どのお子さんもクレヨンや鉛筆と紙があれば(紙は無くても!笑)クレヨンを紙に打ち付けるようにして、点々を描き始め、次第に線や丸を書くようになります。
また描き出されるものは身体の成長とリンクしていると言われ、例えば2本の平行した線を区切るように横線が入る、何やら線路のような、竹を縦に割ったような線を延々と描く時期には、脊椎が形成され、その機能を整えていると言われています。
発達の遅れ(があると言われていた)子どもたちの療育に、身体を大きく使う遊びのほか、絵の具やクレヨンで好きなように描いたり、素朴な太鼓などを使って音やリズムを楽しんだりする遊び多くを取り入れていました。
ある日、いつも賑やかな3歳になるM君が、いつになく静かに部屋の隅にいるのに気づき、何をしているのかな~?と覗きに行くと、それまで殴り書きしかしたことのないM君が、太鼓に張られた革に、ちょうどきれいな〇を描いたところでした!
丸が描ける、描いた線が出発点に戻ってきて丸がきれいに閉じる頃、頭蓋骨の隙間(泉門)が閉じると言われ、同時期に自我が確立されるとも言われています。
M君の、今まで見せたことのない、落ち着き様、とても満足げな表情を見て、彼の中に何やら大きなシフトが起きたのを感じ、鳥肌が立ったのを覚えています。
この太鼓が、「アメリカインディアンの村でメディスンマン(呪術医)から譲り受けて日本まで大事に抱えてきた」という謂れある(?)太鼓だったので、お母さんは非常に恐縮されていたのですが、私にとってはM君からもらった勲章のような気がして、ずっと消さずにとっておきました。
線や文字を書く、また思考や感情のコントロールといった人間が持つ高次の機能は、それを司る脳の発達や基礎となる体の構造とその目に見えないレベルでの成熟の上に成り立っていますが、一度は発達した機能もまた、病気やストレスにより心や体のバランスが崩れたりすると、上手く機能しなくなってしまうことがあります。
先日、リセット®の直後にたまたま黒板に円を描いたら、あまりにピタリときれいに描けて、我ながらほれぼれしました。(これぞ自画自賛!・笑)
パソコンばかり使っていて、あまりペンを持つことも少ないこの頃ですが、リセット®の脳と身体の構造・機能を整える効果を手軽に確認する方法の一つとして使える指標になるかもしれないなと思いました。ご興味のある方は試してみるのも面白いかもしれません。
リセット® ワークショップ
7月1日(土) 月例クラス @田園調布
日時: 16:30~17:30
場所: 田園調布長田整形外科
https://www.jpmi-reset.com/workshop/denenchofu
7月2日(日) 定例ワークショップ@銀座
13:00~14:00 SessionⅠ: リセット®
14:10~15:40 SessionⅡ: リセット®と体
場所: 銀座 漢方天クリニック 8階
https://www.jpmi-reset.com/workshop/ginza/
リセット® トレーニング
7月28日(金)~30日(日) 長野県 アドバンス
9月09日(土)・10日(日) 東京都 ベーシック
10月21日(土)・22日(日) 愛知県 ベーシック
https://www.jpmi-reset.com/therapist-training/